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> 憐れ籠の鳥
境の大門、焦がれて恐れて
売る者と買う者が弾く十露盤、売られて来るのは人で物
吐く血と行末、打ち捨てられ始末路
所詮籠から籠、移し替えられる極楽鳥
秤にかけた嘘と真実、どちらに落つる
過去など野暮、今この瞬間買われただけの縁故
誓った誓い涙一筋、けれど地面を穿つこと無し
底知れぬお歯黒溝、沈み浮かぶのは誰
折れた簪と割れた櫛、錆びて曇った鏡が似合い
年季が明ければ何処へでも行ける、けれど結局何処へも行けぬ
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絶音 copyright c 2009 神谷
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