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彼の独裁者が頭を撃ち抜いた銃を
鉛の弾丸と死神のキス
壊れたエンジンと錆びたレンチ
記憶の中の青くてまあるい月
中身の無いフォトフレーム
届ける気の無い手紙
酸化した世界
孤高であることと孤独の違い
もっと光をとは誰の言葉だったか
僕が見る電気羊の夢
彼女が泣いて世界は終わる
何かを探して旅に出た
涙がこんなにも無価値だなんて
如何してあの時連れて行ってくれなかったのか
マイクロスリープと教科書
教師が何ぼのもんじゃい
焦がれて焦がれて焦がれ続けて
この心に根を張るマングローブの森
裸足と砂と海神の声
パンドラの解釈
ミッシングリンクは再起不可能
冷たい床にひざまづいて笑う鬼が
永久なるゆりかご
ベルベットの夜とダイヤの星
壊れそうなぎりぎりラインで嬌声を上げるその喉元にくちづけたいのです。
オレンジ色の街はだいたい退屈な僕らのため息で塗り潰されていく
ながいあいだぼくはまぼろしだったんだ
腕いっぱいの白い百合の花を君のために贈ろう。
待ってやる余裕なんてものが無いのをお前は知らない
忘れたふり、下手だしね
僕は今、彼を現在進行系で失っている。
そうしてまたあなたは沈黙の海を泳ぐ魚になるのね
世界は廻り続けているのに、君だけがいない
硝子細工のように脆く割れ落ちて
荊の冠に額から血が滲んだ
優しい時間は去ってしまった。
過去へと形を変えた今になって、あれは間違いなく幸福だったと知った。
ゆめをみていたのかそれともわたしがゆめなのか
ああ誰か今すぐこの世界を終わらせてください
過去形の記憶に、彼は今も生きていた。
絶音 copyright c 2009 神谷
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